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コードバンとは?種類や特徴について解説!
コードバンは、財布やカバンの素材として使用されることがあります。そのため、名前だけは耳にしたことがある人も多いでしょう。
しかし、実際に、コードバンとは、どんなものか把握している人は少ないはずです。今回は、そんなコードバンについて詳しく解説します。
コードバン・馬革の種類や特徴についても解説していくので、参考にしてみてください。
コードバンとは?
コードバンとは、どのようなものなのでしょうか。コードバンの特徴としては、下記の通りです。
- 馬のお尻部分の皮
- 革のダイヤモンドと呼ばれている
- 希少性が高い
コードバン・馬革について、詳しい内容を解説します。
馬のお尻部分の皮
コードバンは、馬のお尻部分の皮から作られる独特な革です。特に馬の臀部には「コードバン層」と呼ばれる厚くて緻密な繊維構造があり、この部分がコードバンとして加工されます。
通常の牛革とは異なり、馬革特有の質感と耐久性を持っているのが特徴です。コードバンは、原皮の段階では薄くて柔らかいですが、特別な加工を施すことで驚くほどの硬さと光沢が出るので、財布やカバンといったものに使用されます。
馬一頭から採取できるコードバンの量は非常に限られており、それが希少性と高価な価格設定になりやすいです。
革のダイヤモンドと呼ばれている
コードバンは、その美しい光沢と滑らかな触感から「革のダイヤモンド」と称されています。加工によって磨き上げられた表面は鏡のような輝きを持ち、長年の使用でさらに深みのある風合いになるのが特徴です。
その耐久性とエレガントな外観により、高級な靴や財布、ベルトなどに使用され、使うほどに個性的な経年変化が楽しめます。この光沢は、コードバン特有の繊維構造と職人の技術が結びついた結果であり、他の革製品では得られない魅力があるでしょう。
希少性が高い
コードバンが特別な理由の一つに、その生産量の少なさがあります。まず、馬革を取り扱う牧場や食肉産業自体が世界的に限られているため、原材料の供給が非常に限定的です。
また、コードバンの加工には高度な技術と手間が必要で、時間もかかるため、多くの工房では量産が難しくなっています。さらに、品質の高いコードバンを作るには長期間にわたる熟成や研磨工程が必要であり、その結果、完成品は市場で非常に高価で取引されているのが見受けられるでしょう。
これらの要因から、コードバン製品は高級品としての地位を確立しています。
コードバンのメリット
コードバンは、他の革と違うメリットがあります。コードバンのメリットとしては、下記の通りです。
- 耐久性が高い素材
- 滑らかできめ細かい
- 経年劣化で味がある
コードバンのメリットについて、詳しく解説します。
耐久性が高い素材
コードバンは、その密度の高い繊維構造から、非常に優れた耐久性を誇ります。通常の牛革や他の素材と比較して、傷がつきにくいのが特徴です。
日常的に使用するアイテムとして最適であり、特に財布やベルト、靴、ランドセルなどの摩耗しやすい製品に使われることが多いでしょう。また、適切な手入れを行えば長期間その美しさを保つことができ、世代を超えて使用できるほどの品質を持っています。丈夫さと耐久性が、コードバンを高級革素材として際立たせる理由の一つです。
滑らかできめ細かい
コードバンのもう一つの大きな特徴は、表面の滑らかさときめ細かさです。加工されたコードバンの表面は非常に緻密で、まるで鏡のような美しい光沢を持っています。
この質感は他の革では再現することが難しく、職人の手作業による丁寧な仕上げがその美しさを際立たせてくれるでしょう。滑らかな手触りだけでなく、見た目にも洗練された印象を与えるため、コードバン製品は高級感を求める方々に愛されてきました。こうした質感の美しさは、日常使いにおいても特別感を感じさせるポイントとなっています。
経年劣化で味がある
コードバンの最大の魅力の一つは、使い込むほどに深まる経年変化です。新品の状態では均一な光沢を持つコードバンですが、時間の経過とともに色味が濃くなり、独特の風合いが生まれます。
この変化は「味わい」とも表現され、使用者自身の生活スタイルに応じて変化していくため、唯一無二の個性となるでしょう。また、使用を重ねることで自然な艶が増し、手入れを怠らなければその美しさはさらに際立ちます。コードバン製品は時間と共に成長する素材ともいえ、所有する楽しさを提供してくれるのです。
コードバンの種類
コードバンは、仕上げのやり方によってさまざまな種類に分類されます。種類によって特性が異なるので、事前に種類を把握しておくことで、自分好みのコードバンを手に入れられるでしょう。
コードバンの種類としては、下記の通りです。
- 顔料・ウレタン仕上げコードバン
- オイルコードバン・ブライドル(蝋引き)コードバン
- アニリン(染料)染めコードバン
コードバンの種類について、詳しく解説します。
顔料・ウレタン仕上げコードバン
顔料・ウレタン仕上げコードバンは、コードバンに顔料でカラーコートを行い、その上にウレタンのTOPコートを行いコーティングする仕上げ方法となっています。この仕上げ方法では、革の表面が均一で滑らかに仕上がり、美しい光沢感を持つのが特徴です。
また、顔料の上にTOPコートが乗ることで、耐水性や汚れに対する耐性が向上し、日常使用に適した実用性が高い仕上げとなります。ただし、顔料によって革本来の風合いがやや抑えられることがあり、経年変化の味わいは控えめです。
そのため、見た目の美しさと耐久性を重視するユーザーに選ばれることが多い種類です。
オイルコードバン・ブライドル(蝋引き)コードバン
オイルシェルコードバンは、革の繊維にオイルをたっぷりと染み込ませて仕上げられます。この方法により、柔軟性としなやかさが増し、触り心地が非常に滑らかになるのが特徴です。
また、オイルの効果によって革の内部から自然な艶が引き出されるため、時間が経つにつれて深みのある経年変化を楽しむことができます。このタイプは、コードバン特有の自然な質感や手触りを重視したい人に特に人気です。
オイルが含まれているため水分や汚れに対する耐性もある程度備えており、実用性と美しさのバランスが取れた種類と言えます。
ブライドル(蝋引き)コードバンは、蝋引き加工を施した革のことです。コードバンの持つ滑らかな光沢と強靭さに、ブライドルレザー特有の耐久性と風合いが加わった高級素材となっています。
アニリン(染料)染めコードバン
アニリン(染料)染めコードバンは、染料での染色により色を付けて仕上げられます。染料による染色は、革の表面を覆う顔料塗装のものとは異なり、透明感のある革本来の表情を活かした風合いに仕上がるのが特徴です。またその透明感から顔料塗装よりも鮮やかな色合いが出せます。
また染料は日光に当たり続けると退色するので、扱いには十分注意が必要です。長く使い込む間に革の表情が変化し、持ち主の個性が出てくるという経年変化を楽しめる仕上げになります。
コードバンを扱う際の注意点
コードバンを扱う際には、いくつか注意しておきたい点があります。注意すべき点としては、下記の通りです。
- 水濡れ注意
- 傷つけないように扱う
コードバンを扱う際の注意点について、詳しく解説します。
水塗れ注意
コードバンは密度の高い繊維構造を持つ一方で、水分に対して非常にデリケートな素材です。水に濡れると表面にシミができたり、硬化してひび割れの原因になることがあります。
そのため、水場の近くに置かないことが重要です。万が一濡れてしまった場合は、自然乾燥を基本とし、直射日光や高温の環境で急速に乾かすことは避けましょう。
これにより革の品質を長期間維持することができます。また、雨の日に使用する場合には防水スプレーを事前に使用するなどの対策を講じると安心です。
顔料塗装の仕上げが施されているものに関しては、表面についた水はコーティングのおかげで即染みこむことはないので、すぐ拭き取ってもらえれば問題ありません。
傷つけないように扱う
コードバンは非常に硬く丈夫な素材ですが、その一方で表面が滑らかで光沢があるため、傷が目立ちやすい性質を持っています。鋭利なものや硬い物との接触には特に注意が必要です。
また、保管時には他のアイテムと擦れることを避けるため、柔らかい布袋や専用のケースに入れるのが理想的となっています。万が一傷がついた場合でも、自分で無理に修復しようとせず、専門の革製品ケアショップに相談しましょう。
丁寧に扱うことで、コードバンの美しさを長く保つことができます。
まとめ
今回は、コードバンとは、どのような素材なのか詳しい内容を紹介してきました。綺麗な光沢に、経年劣化が楽しめる素材となっているので、長く持つほど愛着が湧いてくるでしょう。
当社は、椅子や靴、ランドセル、自動車用などの各種用途に応じた革に仕上げ販売を行っています。生産された革は「Alps Calf」ブランドとして提供しており、確かな品質を実感して頂けるでしょう。
コードバンの製造・販売に興味がある人は、ぜひ当社までご相談ください。